東京芸術劇場シアターオペラ「フィガロの結婚」ツアーでK-arrayが使用されました

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2015年6月

全国10都市13会場で公演される東京芸術劇場シアターオペラvol9「フィガロの結婚」ツアーでK-array「KR202」が使用されました。今回は兵庫県立芸術文化センターでの公演にお邪魔し、音響デザイナーの石丸耕一氏にお話を伺いました。

  

「セオリー通りのスピーカーセッティングが許されない舞台公演において、K-arrayは非常にユーズフルでした。」

 

仕込みについて

「最初にK-arrayの一連のラインナップを見た時、オペラなどの公演において威力を発揮するだろうと感じました。劇場音響はステレオではなく、無数のモノラルの集合体です。この無数のモノラルの集合体の中で、意図的に舞台に音像を定位させることによって、立体的な空間を表現することができます。したがって、ステレオで音を出すという考え方自体がそもそも私達にはありませんでした。オペラのような舞台公演においてはセンターにスピーカーを置くとふつう邪魔になりますが、「KK102」は大きさと形からして舞台公演の邪魔にはならない。そうしたセオリー通りのスピーカーセッティングが許されない舞台公演において、K-arrayは非常にユーズフルでした。」

 

「KK102」の効果

「通常の2ウェイスピーカーを何台か接続してセンターに配置した時には、ユニットの構造上どうしても音にムラがでます。それに比べて「KK102」は同じユニットが一列に並べられているのでムラもできにくい。本数を並べることで広いエリアをまんべんなくカバーできます。また、ラインアレイになっているので直進性が強く、客席の後ろの方まで音を届かせられる。実際にその効果は想像以上でした。」

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チューニングについて

「オペラにおける「補助拡声」にとって「KK102」は非常にチューニングしやすいものでした。音量が物足りないと感じる時、果たしてそれは音量が足りないのか、それとも明瞭度が低いのか。全体の音量をそのまま上げてしまうと、どうしても明瞭度は下がってしまい、セリフが聞き取りづらくなってしまいます。劇場空間では響きはホールにありますから、まずは音量を上げず、セリフの中の子音成分だけを「補助拡声」をすることで台詞や歌の輪郭をなぞってあげる。そうすると全体の音量を上げなくてもセリフが聞き取り易くなりますので、結果として声量が増したかのように感じさせることができます。」

 

「“全体の音量は上げていないが音量が上がったかのように聞こえる”、“PAしているけど生音にしか聞こえない”、このような音響演出がK-arrayのようなスピーカーが出てきたことによって実現できるようになってきました。」

 

音響演出の変化

「私は学生時代に音響心理学を修めました。以来、音が人の心理に与える影響を舞台公演の音響演出に活用したいと考え、これまで試行錯誤してきました。 昔は大きなスピーカーを積んで大きな音を出すということが音響屋の仕事でしたし、自分が思い描いていることを具現化できるような機材もありませんでした。 しかし、時代を経て音響機材も変化していったことで、お客様や舞台演出家の耳も肥えています。“全体の音量は上げていないが音量が上がったかのように聞こえる”、“PAしているけど生音にしか聞こえない”、このような音響演出がK-arrayのようなスピーカーが出てきたことによって実現できるようになってきました。ようやくこれまで自分が思い描いていたことを具現化できるツールが出てきたなと感じています。」

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「フィガロの結婚」ツアー詳細

https://www.geigeki.jp/performance/concert054/  

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